シマキンチャクフグの飼い方・生態
シマキンチャクフグ Canthigaster valentini
フグ目
フグ科
キタマクラ属
シマキンチャクフグ
生息域
シマキンチャクフグは熱帯・亜熱帯の浅いサンゴ礁域で普通に見られる種で、インド洋から太平洋にかけてや紅海で生息が確認されています。日本では本州中部以南に分布しているとされています。
形態
シマキンチャクフグは体長5~10cm程度の小型のフグで、黄色がかった体に、背中の黒い縞模様、胴体の斑点が特徴です。また雄には目の後ろに青とオレンジの線があり、これによって雌雄の判別が可能です。
毒
他のフグ同様にシマキンチャクフグも毒を持っています。しかし、どんな毒を持っているかが明らかにされたのは最近のことで、2020年に日本の山口県にある海響館や水産大学校などの共同研究によって明らかになりました。この論文では、シマキンチャクフグは一般的にフグ毒と呼ばれているテトロドトキシンとサキシトキシンの両方を持つと報告しています。
(Zhu et al. 2020)
カワハギの仲間であるノコギリハギはシマキンチャクフグが有毒であることを利用して、シマキンチャクフグに擬態することで有毒だと思わせて身を守っています。
餌・食べ方
雑食性で藻類や棘皮動物(ヒトデなど)、軟体動物(貝類など)、サンゴなどを食べます。
飼育下では人工飼料やオキアミなども普通に食べます。
基本的につついて食べるため、粒の小さい人工飼料以外は砕けていってしまうことが多いです。
また、人工飼料をあげる場合は植物性のものを含んでいるものをあげるのが望ましいです。
観賞魚として
綺麗な模様と小柄で可愛い見た目から飼育魚として重宝されています。ショップへの入荷も頻度が高くチャームさんなどで簡単に購入できます。ただし、サンゴ類をつついてしまうのでサンゴ水槽には向きません。
実際に飼育してみて
とりあえず可愛いです。見てて癒されます。とても毒があるとは思えない可愛さです。
前回の記事で書いたハナミノカサゴと混泳させていますが、特に問題もなく、たまに餌を取り合っているぐらいです(ハナミノちゃんが餌を丸のみにして終わり)。
性格・混泳
ハナミノカサゴもそうなんですが、毒を持っているからなのかあまり逃げたり怖がったりしません。夜も水槽の手前側の角(水面近く)で堂々と寝てます。ほぼ浮いてる状態なので最初見た時は死んで浮いているのかと思って焦りました。。。翌日の朝平然と泳いでいたので安心しましたが。導入当初は岩陰に隠れたりもしていましたが慣れるといつも堂々としてます。最近では餌を求めて海水をガラス蓋に飛ばすので困ってます。
毒魚なので食べられる心配はほとんど無いと思うので、おとなしい魚であれば混泳できそうです。しかし、サンゴや甲殻類を入れるとつつかれてボロボロになる可能性があるので注意が必要です。
餌
基本的に浮遊性の人工飼料をあげていて、たまにハナミノカサゴにあげるオキアミをつついてます。餌をあげてないときはライブロックをつついたり、ガラス面をつついたりしてるので藻類も食べているみたいです。
最後に
フグの仲間は魚類の中でも特徴的な分類群で、毒を持つこともそうですが、泳ぎ方、体の形などとにかく変わっています。そのため他の魚類とは違う発見をできるかもしれません。是非飼育して観察してみてください。